cDNAディスプレイ技術
- cDNAディスプレイ法とは
- cDNA displayとは、弊社の有するタンパク質ディスプレイ方法であり、高い安定性と多様性を持った遺伝型―表現型対応付け技術です。
- cDNA displayのアドバンテージ
- 提示タンパク質の制限
- 毒性タンパク質の提示も可能
- 従来の細胞や微生物を使ったディスプレイ法では困難な細胞毒性を示すタンパク質の提示が可能。
- 安定性
- 高い安定性
- 提示タンパク質がリンカーでcDNAと結合しているため、 リボソームディスプレイやmRNAディスプレイに比べ、pHや湿度、RNaseの影響を受けづらい。
- 多様性
- 高い多様性
- 10¹³⁻¹⁴の高い多様性を扱うことができる。
- 各ディスプレイ方法との比較
ディスプレイ法 構造 遺伝型 多様性(/ml) 酵母ディスプレイ プラスミドDNA 10⁸ ファージディスプレイ ssDNA 10⁸ cDNAディスプレイ cDNA 10¹³⁻¹⁴ リボソームディスプレイ mRNA 10¹³ mRNAディスプレイ mRNA 10¹³
- EMEのリンカー技術:cnvKピューロマイシンリンカー
cnvKを用いた新規ピューロマイシンリンカーcDNAディスプレイ法において、遺伝子型-表現型対応付けのキーテクノロジーであるピューロマイシンリンカーには、当社独自のcnvKリンカーを用います。特定部位でハイブリダイゼーションしたmRNAとcnvKリンカーにUV照射することで光架橋により迅速に連結し、mRNA-cnvKリンカー複合体が形成されます。これにより一連のcDNAディスプレイ分子調製時間の大幅な短縮が可能となりました。
cnvKリンカーを使用することによる利点は以下のとおりです。
● 酵素的ではなく光架橋によりmRNAとピューロマイシンリンカーを連結⇒反応時間の短縮(酵素:約1時間→光架橋:数分)
● 酵素溶液由来の不純物等のコンタミネーションを減少させることができ、cDNAディスプレイ分子の反応効率の向上が期待される
● 試験管内淘汰実験と候補クローンの結合評価の両方に利用可
- ピューロマイシンによる遺伝子化型分子と表現型分子の連結(= 対応付け)
- mRNA-cnvKリンカー調製後、これを無細胞翻訳系に投入します。リボソームがmRNAの5’末端側からタンパク質またはペプチド合成反応(= 翻訳反応)を開始し、ポリペプチド鎖が合成されていきます。翻訳反応が終盤にさしかかり、リボソームがmRNAの3’末端付近まで進むと、リボソームはcnvKリンカー直前で停滞します。この時近傍に存在しているピューロマイシン(アミノアシル-tRNA類似体)がリボソーム内に取り込まれると、ぺプチド転移反応が起こりそれまでに合成されたポリペプチド鎖のC末端とピューロマイシンリンカーが共有結合により連結されます。結果として形成される複合体は、mRNA-cnvKリンカー-タンパク質/ペプチドとなります。
当社では、独自の特殊リンカー「光架橋ピューロマイシンリンカー(cnvKリンカー)」や、「cDNAディスプレイ自動合成装置」を用い、1013-14の多様性を持ったcDNAディスプレイライブラリを自動調製します。
- EME独自のcnvKリンカー
- 当社では独自のcnvKリンカーをスクリーニング技術に応用することで、短期間で膨大なライブラリからクローンをスクリーニングすることが可能です。cnvKリンカーのご利用にご興味のある方は下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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