会社概要
- 会社名
- 株式会社Epsilon Molecular Engineering
- 所在地
- 〒338-8570 埼玉県さいたま市桜区下大久保255 埼玉大学オープンイノベーションセンター研究棟208室(埼玉大学キャンパスマップ34番建物)
- 代表者
- 代表取締役社長 根本直人
- 設立
- 2016年8月19日
- 資本金
- 10,000千円
- 事業内容
- バイオテクノロジーの研究開発
- 従業員数
- 15名(2024年6月時点)
ミッション・ビジョン
Mission ミッション
当社は現在、新しい治療コンセプトに基づき薬効を発揮するバイオ分子(次世代抗体VHHとペプチドアプタマー)を社会実装することを目標に取り組んでおります。将来は創薬にとどまらず、ヘルスケア(未病)、環境、グリーンケミストリーといった未来社会に必要とされる分野でのバイオ分子の創出にも取り組み、社会経済性を改善し、豊かな社会作りに貢献します。
Vision ビジョン
これからの社会は、AI等の急速な技術革新と社会の価値観の変容によって、研究開発に求められるものが大きく変化して来ます。医療領域でではますます個別化が進みます。この新しい時代の医療を実現するには、従来の医薬品の欠点を改善し、全く新たなコンセプトに基づく画期的な診断・治療法の開発が求められています。当社は画期的な高機能バイオ分子を、今まで埼玉大学にて培ってきた進化分子工学の技術によって、より早く、より優れた分子を提供し、日本のみならず世界の人々のより豊かな生活や医療に貢献して参ります。
経営陣
根本 直人代表取締役社長
- 1996年 埼玉大学大学院 理工学研究科 博士課程 生物環境科学専攻 修了 博士 (学術)
- (株) 三菱化学生命科学研究所特別研究員
- 1999年 (株) ジェンコム 主任研究員
- 2003年 バイオビジョン・キャピタル (株) 取締役 研究企画部長
- (独) 産業技術総合研究所 ベンチャー開発戦略研究センター 招聘研究員
- 2006年
- ジェナシス (株) 執行役員・科学最高責任者
- 2008年
- 埼玉大学大学院理工学研究科物質科学部門准教授
- 2015年
- 埼玉大学大学院理工学研究科物質科学部門教授
- 2016年
- (株) EME取締役
- 2017年
- (株) EME代表取締役
科学技術顧問
伏見 譲
埼玉大学名誉教授、科学技術振興機構先端計測開発統括 分子生物物理学、進化分子工学、バイオ計測、情報進化学
1965年 東大理・物理卒、1969年 同博士課程中退し同物理教室助手(和田昭允研、オリゴヌクレオチド/DNA/ポリペプチド/蛋白質の熱変性/再生の速度論)、1976年 埼玉大に移り、fdファージの実験分子進化の研究を開始。SpiegelmanのRNAの試験管内ダーウィン進化実験(1967)の進化対象を、DNA+蛋白質にレベルアップすることを狙ったもの。1982年ウイルスを作業レプリコンとする進化リアクター・セルスタットを公表。1985年 西独Max-Planck生物物理化学研究所M.Eigen研の客員研究員。前年彼が提唱したRNA複製に基づく進化分子工学を学ぶと共に、埼玉大が提唱したファージ増殖に基づく進化蛋白質工学を実現するためのセルスタット2号機を製作(現在、ドイツ博物館ボン新館に収納・展示)。帰国後、PCRの発明に衝撃を受け、セルスタットの全構成要素をin vitro化する(ファージ増殖→PCR増殖、fdファージ→mRNA -新生蛋白質結合体)ことを企画。共同研究者と共に、後者をin vitro virusと名付け開発し、また、蛋白質の試験管内進化理論(分子進化の構成的原理、適応度地形解析法、適応歩行理論)を発展させる。2003-2013埼玉県埼玉バイオプロジェクト「高速分子進化」研究統括。
土屋 政幸
株式会社Complecure
1983年埼玉大学大学院修士修了後、中外製薬 (株) に入社。バイオ医薬品の研究開発を開始する。1884年からは東京大学医科学研究所の研究生となり、G-CSF遺伝子のクローニングに成功した。1989年に東京大学大学院医学系研究科より医学博士の学位を授与された。1990年より英国MRC研究所に留学し、G.Winter博士の率いる研究チームにて抗体工学を学び、国産第1号のヒト化抗体医薬品(アクテムラ)の作成に成功した。バイオ・抗体医薬品のスペシャリストとして中外製薬のバイオ・抗体医薬品のブランド形成に貢献した。2019年6月に中外製薬を早期退社し、翌月よりEME社の取締役CTOに就任した。ヒト化人工合成VHHライブラリー、PharmaLogical Libraryの開発・社会実装やVHHアゴニスト抗体創薬技術の開発などに貢献した。2024年7月より東大発スタートアップ株式会社Complecureの代表取締役CEOに就任し、新たなバイオ医薬品の臨床開発に取り組んでいる。
中井 淳一
東北大学大学院歯学研究科口腔生理学分野 分子生理学、神経生理学
医学部を卒業後、内科医として勤務したのち大学院に進学、大学院卒業後研究者の道に進み分子生物学、電気生理学、生理学の分野で研究を行っています。2001年に緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を改変して、カルシウムイオンに反応する蛍光カルシウムセンサー分子(G-CaMP)を開発しました。開発したG-CaMPをモデル動物に応用し、筋肉細胞や神経細胞などの活動に伴う細胞内のカルシウムイオン動態を動物の体内(in vivo)で蛍光イメージングにより計測し、細胞機能を明らかにする研究を行っております。 EMEへは医学的な立場からの助言をいたしております。また、分子生物学的、電気生理学的、生理学的な観点からEMEの研究開発に対する助言をしております。
久保 泰
東京大学大学院新領域創成科学研究科 分子神経・細胞生理学、ペプチド・タンパク質工学
大学の研究室に配属されて、私の最初の研究テーマは生体高分子の相互作用の物理化学的な研究でした。その後、もう少し生物学的な側面から生命基盤に迫りたくて医学部大学院に進み、酵素学、ペプチド化学、分子生物学・生理学の修行を受けました。この間は週休「半日」という厳しい鍛錬期間でしたが、研究に対する基本的な姿勢を学びました。大学、米国留学、財団法人研究所、生命工学工業技術研究所(改組後 産業技術総合研究所)で研究を行い、2020年に退職。現在、東京大学で特任研究員として細々と研究を続けさせてもらっています。10年ほど前に、天然の生理活性ペプチドの研究の延長から試験管内進化の領域に入り込みました。これには根本社長との共同研究が大きなきっかけになりました。それ以来、この領域にどっぷり浸かることになりました。新たなものを創造する愉しみに加え、社会への還元の可能性も意識できるところがいいです。何十億年という長い歳月をかけて創り上げられてきた生命の仕組みや創造物の美しさに畏敬の念をいだきつつも、それにちょっと近づき、ひょっとしたら超えられるかも…、という不敬な気持ちになることが最近あります。EMEの皆様とこのような気持ちが共有できると嬉しいです。
寺井 琢也
東京大学大学院理学系研究科 ケミカルバイオロジ―
東京大学薬学部卒業、同大学院修了(指導教員:長野哲雄教授)。博士(薬学)、薬剤師。東京大学大学院薬学系研究科助教(研究室主宰者:長野哲雄教授、浦野泰照教授)、日本学術振興会特別研究員(SPD)、埼玉大学大学院理工学研究科特任准教授(研究室主宰者:根本直人教授)などを経て、2020年4月より東京大学大学院理学系研究科化学専攻特任准教授(研究室主宰者:Robert Campbell教授)。 現在までの研究内容は、蛍光イメージングプローブなど光機能性分子の開発、低分子化合物のハイスループットスクリーニングを通じたアカデミア創薬研究、進化分子工学を用いた機能性ポリペプチドの探索と応用、ならびにこれらに関連する基盤技術開発です。 EME社には、ケミカルバイオロジー分野の研究経験や薬学分野の専門知識を活かし、進化分子工学の技術開発やペプチド創薬に関する情報提供、助言で貢献します。
藤本 健造
北陸先端科学技術大学院大学 生物有機科学
京都大学工学部卒業、同大学院修了(指導教員:齋藤烈教授)。
松永 康佑
埼玉大学大学院理工学研究科 工学部情報工学科
神戸大学理学部卒業、同大学院修了(指導教員:小松崎民樹准教授)。
沿革
- 1982年埼玉大学において、進化分子工学の研究が始まる
- 1997年遺伝子型/表現型対応付け技術であるin vitro virus法の開発に成功(埼玉大学、三菱化学生命研)
- 2008年cDNA display法の開発に成功(JST埼玉バイオプロジェクト/産総研/埼玉大学)
- 2014年北陸先端科学技術大学院大学藤本健造教授との共同研究により、cDNA displayのハイスピード調製法を開発(埼玉大学)
- 2015年cDNA displayハイスループットシステムの原理を特許出願(埼玉大学)
- 2016年8月埼玉大学発バイオベンチャー企業として設立
- 2017年4月埼玉大学オープンイノベーションセンター研究棟201室に事業所を設立
- 2017年9月国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)平成29年度『研究開発型ベンチャー支援事業/ シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援(STS)』に採択
- 2018年9月公益財団法人三菱UFJ技術育成財団(MU-TECH)平成30年度第1回研究開発助成金に採択
- 2019年3月リアルテック・ベンチャー・オブ・ザ・イヤー(スタートアップ賞)受賞
- 2020年1月埼玉県さいたま市桜区 埼玉大学正門前にオフィス設立
- 2020年7月経済産業省中小企業庁戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)補助金 採択
- 2020年10月日本医療研究開発機構(AMED)公募課題 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発(3次公募)」採択
- 2021年4月次世代抗体 VHH ヒト化ライブラリー「PharmaLogicalTM Library」を三井情報株式会社と共同開発
- 2021年9月JCRファーマ株式会社と次世代抗体VHH を活用した創薬を目指し、共同研究契約を締結
- 2021年10月マルホ株式会社と新規VHH 医薬創出を目指した共同研究開発契約を締結
- 2021年10月協和キリン株式会社と新規VHH 創出に向けた契約を締結
- 2021年11月学校法人北里研究所、花王株式会社、大学共同利用機関法人自然科学研究機構、塩野義製薬株式会社と「次世代治療薬を目指したVHHナノ抗体薬に関する研究開発」に関する委託研究開発契約を締結